昭和の貪欲チルドレン - kaise

外注パタンナーさんと頼まれごとの打ち合わせ後に世間話。
長い付き合いの彼とは共通の知り合いも多くて、色んな情報が入ってくるのが面白い。

そんな会話の流れで、昨今のアパレル不況の話になった。

「なぜ若者は僕らの頃のように洋服を買わないのか」

長年パタンナーとしてアパレル業界にいる彼の答えが、なるほどなぁって思った。

パ「僕らが子供の頃って、みんなダッサい服を着てたじゃないですか笑
ジャージとかがメインで、いかにも子供って感じの服しかなくて。どうせ子供は泥だらけにするし、良い服なんて与えても成長も早いし意味ないし。
親が悪いワケではなく、子供を子供として扱ってたから、子供らしかったんだと思うんですよ、我々昭和のガキは。
でも今は違うでしょ。パタンナーやってるから断言できますが、今の子供服って、大人の洋服をそのままグレーディングして子供サイズにしてるんです。もちろん細かい仕様は変えてますけどね。

でも結果、大人も子供も同じモノを着ちゃってるワケです。僕らの頃にはあり得なかった状況なんですよ。
僕らの頃って、例えば、大人になればライダースが着れる、革パンが履ける、コートが着れる、ブーツを履ける、みたいに憧れがあったじゃないですか。 CDだって発売日チェックして、朝並んだり予約したりして買ったじゃないですか。
いま子供服にライダースも革パンもコートもブーツも当たり前に有るんですよ。
CDだって並ばないでダウンロードできるんです。
大人の好きなモノを、大人の目線で選んで買って、無意識に子供に与えてる。だから今の子供たちは、僕らの頃に比べて、「憧れ」が減ったんじゃないかなって思うんです。
当たり前に大人と同じモノを支給されてるから。
その影響をモロに受けたのがアパレルと音楽ですよ。

ライブに行かなくてもYouTubeで観れる。TVも同じです。ゴールデンタイムにプロレスがあって、プロ野球があって。
女の子だって巨人の選手やプロレスラーの名前を知ってたじゃないですか。
それくらい男子も女子も、色んなモノに憧れてましたよね。
いま巨人の選手の名前を子供たち、特に女の子なんて言えないと思いますよ。
憧れてないし、TVでやってないし。
だから大人になった時に、こうなりたいなぁ、実現したいなぁって思わせるような事や物にしていかないと僕らの業界はダメなんですよ。」

海「確かにねぇ。兄ちゃんがお年玉とかバイト代とか貯めて買ってたB-3とかライダースとかブーツとか、絶対いつか買ってやる！って思ったもんなぁ」

パ「でしょ？サッカーなんかはTVでやるから憧れるモノになってるけど、他は厳しいですよね。子供たちが悪いワケでも、もちろん大人が悪いワケでもないんですが。憧れるモノ、人、事、そうなる為にはどうするかを考え実践していかないと、どんな職種も厳しくなっていきますよ。」

海「世の中が便利になった分、現代人の感性という引き出しが減ったのは事実かもねぇ。ウチの娘も当たり前のようにニューバランス履かせちゃってるし苦笑。 5年後、10年後を考えながら仕事や子育てしてかないとなぁ」

パ「本当そうですよ。子供たちの憧れになるようにしないと。
勝手な推測ですけど、たまに街で見かける、キャラモノとかの洋服を着てる、昭和のガキンチョみたいな子供いるじゃないですか。あーいう子供は周りの大人びた格好の子供と違う服を着てるから、いつか必ず！的な欲求が将来に活きるんじゃないかなぁと思ってみてます笑
僕もまずは自分の子供たちに憧れられるように頑張ります笑

子供の欲望も育てながら。ちなみにアキラさんの娘さんの将来の夢って知ってます？」

海「知ってるよ。」

パ「え！何ですか？何になりたいんですか？」

海「蝶々」

パ「え？？チョ？」

海「だから、蝶々！昨日も寝る前に蝶々になりたいって言ってた。」

パ「さ、さすがに蝶々には勝てないですね笑」

-お買い物-
そんな話の流れの中、昭和の貪欲な少年時代を過ごした僕は、最近買い物しまくっております笑
最近釣りに行けてないストレスですかね笑

まずは、来年の丹沢水系での渓流ルアーに向けて、
パタゴニアのフィッシィングベスト付きのバックパックに、完全防水のヒップバッグ、今季復刻したシンチラジャケット。